薬学部6年制誕生のワケ(2)

薬学部6年制誕生のワケ(2)

日本の6年制の薬学部ではアメリカの6年制の薬学部ほど勉強や実習がハードではないかもしれませんが、やはり実際に病院で患者さんと向き合って薬の専門家として働くための臨床的な教育が重視されています。たとえば、学内実習を1ヶ月、そして病院・調剤薬局で5ヶ月の実務実習も行うことになっています。

ただアメリカの場合だと、薬学部から毎年卒業するのは約8000名。そして、卒業した薬剤師の数は全米の病院・薬局の求人件数に満たない数です。ハードルが高い薬学部を卒業して薬剤師になっただけに、薬剤師の地位は高く、尊敬もされています。日本での場合、今現在は、レベルはさておき薬剤師の数はやや過剰気味な傾向にあります。それだけに6年間薬学部に行くことにためらう受験生も多いのではないでしょうか。

これに対して4年制の薬学部では、従来行われてきた基礎重視の教育が行われています。化学物質としての薬を開発するために、化学、物理、数学、生物学などの勉強をし、遺伝学やバイオテクノロジーなどの研究もしていきます。4年間で薬学の基礎をしっかりと学び、さらに大学院などでの研究をしていくためです。

大学院に行かずに4年制の薬学部で卒業する場合は、製薬メーカーのMRをはじめ、化学関連や化粧品などさまざまな企業に就職し、活躍することになるでしょう。

薬学部は大学によって、6年制のみの大学と4年制と6年制を併設する大学とがあります。入学後にどちらか選択できる大学もありますが、もしできれば、受験段階でおぼろげでも何を目指したいのかイメージすることができるといいでしょう。

尚、平成29年度入学者までの特例措置として、4年制薬学部に入った場合でも、大学院へ進学し、修士課程の修了後、6年制課程と同様の実務実習を行うことで薬剤師資格が取得できるようになっています。


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